「育休退園」廃止へ

議員になって2回目となる9月定例会、いわゆる決算議会が先週末に終わりました。

会期中は各委員会での審査に加え、膨大な資料に目を通したり情報収集することに必死な日々でしたが、初の決算議会を経験してまた少しずつ色々なことが分かってきたな、と感じています。

決算はもちろんですが、今回の議会を通して私の中で大きかったことは、「育休退園」問題が解消に大きく近づいたこと!(やった!)

今議会の一般質問で取り上げたひとつでした。

複数の住民の方から育休退園についての話をお聞きした時、絶対取り上げないといけない、と感じたこの問題。

私が議員を志した理由のひとつは、私自身が子育てで経験した辛さを、今の、そしてこれからのお母さん(&お父さん)にはして欲しくなかったから。

0歳児クラスから保育園に子どもを預けて農業に従事した経験からも、保育園、とりわけ未満児保育は、育児と仕事を両立していくそのスタートであり、そこでのサポートは子育て世帯にとって本当に重要度が高いと感じています。

下の子が生まれ、育児休業を取得すると、園に通っていた上の子が退園しなければならないこのルール。

村では、3歳以上児は継続して通園が可能な一方、未満児においては基本産後3ヶ月で退園していただく、というルールになっています。

保護者の負担面はもとより、保育の継続性が絶たれることによる子どもの発達への影響からも問題視されています。

子育て環境も多様化する中、一律の退園は望ましくなく、継続を望む家庭がそれを選択できることが望ましいと考えています。

今議会で、撤廃すべき、として一般質問のひとつとして取り上げたこの問題。

一般質問での教育委員会および担当課の回答は、「現状でも各家庭に寄り添った支援をしている」「今後現状を把握しながら、適切な保育は何かを検討していく」とのこと。

この時点では、問題提起はできたものの、行政から前向きな回答が得られたとは正直言いにくい状態でした。

ただ、この問題については、村にある2つの保育園の保護者会の代表者さん達により「陳情」としても上げられました。

陳情は、担当する委員会、この場合は、私も所属する社会文教常任委員会で審査され、その後本会議にかけられ、最終的に採択されるかどうかが決まります。

陳情者の方々は、議員に広くこの問題を知って欲しい、と会期中に意見交換会の申入れもしていただき、この問題について(併せて陳情された未満児保育料についても同時に)リアルな声を聞かせてくださいました。当事者の切実なお声は、参加した議員にもしっかり届いたと思っています。

その経緯もあり、委員会審査では全会一致で採択すべきものとする、とされ、後日の本会議でも全会一致で採択、また、委員会が提出した「3歳未満児の保育料と育休退園の見直しを求める決議」も全会一致で可決されました!

簡単に言うと、議会として、育休退園は撤廃(見直し)すべき!と決した、ということ。

新聞報道によると、この結果を受けて議会後に村長は、「議会の意思は住民の意思として尊重する。育休退園をなくす方向で進めたい」と廃止する意向を示しています。

子育て世代とそれをサポートする人達の声が、行政を動かした、素晴らしい事例だと思います。

保育士確保の問題は続きますし、待機児童が発生しないように対応もしていかなくてはいけません。

それでも、原村でのこの動きは、地元紙の取り上げもあり、他の市町村にも広がっていくのでは…?と感じます。

Yahooニュースでも↓

「育休退園」の廃止、原村長が意向示す 村議会、廃止求める陳情を全会一致で採択(信濃毎日新聞デジタル) - Yahoo!ニュース
3歳未満児を保育園に預ける母親が下の子を出産して育児休業を取得すると上の子が原則退園となる「育休退園」を巡り、原村議会は9月定例会最終日の29日、保育園の保護者らが提出した廃止を求める陳情を全会一

議員初年度にこの経験ができたことは、私にも大きな力になります。

子どもや子育てのことばかり…と言われてしまいそうですが、これからもしっかり取り組んでいこうと思います!